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2013年6月に作成された記事

2013年6月17日 (月)

会報希望、2013/05/15記事本文

ささやかな贈物の

(

ぬし

)

としての病気

      -ヴァン・デン・ベルク著上野

(

ひとし

)

訳「病床の心理学」現代社から抜粋引用-

 

p.42~健康な日々の思い出にがんこに固執しない患者は、病床に驚くほど強烈な新しい生活を発見する。彼はいろいろの小さなことに感じやすくなる。

 健康人は、職歴、勉強、名声あるいはお金などの重大な事柄に心を奪われているあまり、小さなことを忘れがちである。それをよく吟味してみると、人生に意味を与えるのは、決してそうした重大な事柄ではないことを認めざるをえない。健康人もやはり小さなことに対する感受性を失っているわけではないのだ。たとえば、子どもの頃のことを思い出そうとしてみると、初めて小学校へ行った日のこと、自分の最優秀のレポート、あるいは進級できなかったときのことなどを思い出すだけではだめなのだ。生まれて初めて海をみたときの記憶といったことでさえ、彼に幼い日々を引き戻しはしない。両親の家の中でのいろんな物音、ホールの時計の音、ゆるんだ屋根瓦の音といったことや、その家を「自分の」家だと感じさせた自分の小さな部屋などを思い出さなければならないだろう。その部屋は屋根裏の片隅だった。それに台所のテーブルの下のなじみの場所、冬中電気がついていたカーテンのうしろの不思議なスペースといった具合である。先に述べた、健康人の日常における重大な事柄についても、それはいろいろなこまごましたことがいっしょになっていることで初めて自分とつながりをもってくるのだ、と気づく。・・・(省略)。

 患者はこうしたほんの小さなことに対する新しい感覚を獲得する。他の誰よりも、患者は一日のリズムを知っている。朝早く、暗闇から光へとしだいに変わっていく窓のたたずまい、病室にさしこんでくる最初の陽光、ベッドや床や、壁の上の日光の点の移動、日中のせわしげな物音、宵闇の訪れ、容赦なく進んでいく夜の静寂など。こうしたことの新しい感得は、いつでも好ましいわけではないにしても、あるまったく特別な意味で、それらは信頼されるようになり、彼にとって貴重にさえなるのだ。患者は時計のチャイムが一つなるのを聞き、いま午前3時半かしら、4時半かしらと思う。さらに30分ほど待った後、やっぱりチャイムが一つだけしかならないのを聞いて、ため息しながら、今、夜中の1時半にちがいないとわかる。それからもう30分ベッドの中で待っていると、今度は時計台の時計が眠っている町中に、もう一度一つだけチャイムを鳴らすのを聞く。したがって、解放の朝の到来までの時間はもう30分遅れることになる。こうした患者は、このような夜の記憶を楽しい思い出としてとどめてはいない。しかし同時に、こうした夜は彼にとって生き生きしたものであり、また強情かつ意志的でありながら、それにもかかわらず馴染みのある友達でもあることを知っている。…(以下省略)

工藤直子作「のはらうた」童話屋p.130131より引用)

    こころ

         からすえいぞう

 ゆうやけが

 あんまり きれいだったりすると

 おれ しんとした こころになる

 ゆうやけの ところへいって

 はなしあいたくなる

 なにを はなすかっていうと

 あかちゃんだったときの こととかさ

 しょうらいどうなるかって こととかさ…

 いつもは こんなこと

 おもわないんだぜ

・・・・・

 おれ こころ

 いっぱい もっているんだな

☆事 務 報 告

518日(土)事務局西安寺にて世話人会開催。会報「希望」第275号製本発送。

◇会報への投稿や製本のお手伝い等をして下さる方は、事務局までご一報

ください。

あなたらしく生きる

         ✤✤ あ と が き ✤✤

五日の立夏を過ぎてからようやく皐月晴れの好天が続くようになりました。四月は寒い日と暑い日が交互にやってきて、いつ夏物に衣替えしていいのか迷う日々が続きました。風邪をこじらせて床に臥せった方も多かったようです。皆様はいかがでしたか。

 二日が立春から数えて八十八日目の八十八夜でした。八女地方は昨年の豪雨被害で、茶摘みも例年ほどには意気が上がらなかったのではないでしょうか。とくに星野茶の被害は甚大だそうで、復興に長い歳月を要するそうです。おいしいお茶が再び飲める日を待ちたいと思います。

 ところで、四月十四日にNHKEテレ日曜美術館で「宇宙の器 器の宇宙~陶芸家 河井寬次郎の世界」(421日午後8時再放送)が放映されていました。お気付きの方もおられたのではないでしょうか? 番組では語られていませんでしたが、河井寬次郎記念館(京都市東山区五条坂鐘鋳町)開館40周年を記念して企画されたのでしょう。私も京都に行くたびにその記念館に足を運んでいますが、何度訪れても飽きの来ないやすらぎの空間なのです。出演していた若い俳優さんも同じ感想を抱いていたようです。京都にお出かけの折にはぜひお立ち寄りください。登り窯が昔のまま残っていて、そこからひょっこりと寬次郎が現れそうなそんな空間です。

「河井寬次郎は、その生涯を通じいつも子供のように感動する心を失わず、ありとあらゆる物と事の中から喜びを見いだし、そして何よりも人と人生をこよなく愛し大切にした人でありました。/寬次郎は『驚いている自分に驚いている自分』と語っております。/私達は誰でも美しいもの、素晴らしいものにめぐりあえたとき感動し、心豊かになるものですが、翻ってそんな感動、そんな思いが出来る素晴らしい自分自身には案外気が付かないものです。/寬次郎は、ともすれば私達が忘れがちなそうしたごく身近な心や、形を大切にしました。/ここでご覧頂くものの中には、作陶を初めとした木彫・文章を通じてはげしい表現をしたものが数多くありますが、反面、建築・調度品・蒐集品の中には日々の生活に素を尊んだ寬次郎のしずかな精神を見ることが出来ます。/この記念館は、そんな寬次郎であったことを皆さんに知っていただくとともに、ここが作品を創作した場所であるだけでなく、高く、深く人間を讃えつつ生活をした場であることを観ていただくために開館したのでございます。私どもにとっては、皆さんにこの記念館をご覧いただいた後、何かの美、何かの感動、何かの驚き、何かのやすらぎを覚えて下されば無上の喜びでございます。」

 これは記念館の栞に書いてあることをそのまま写したものです。寬次郎をひとことで表現するなら「はげしさと静けさが同居した陶工」と言っても許されるのではないかと思います。寬次郎の作品に出会うたびに、私はアンリ・マティスの作品が思い出されます。

 来月は久しぶりに例会を開きます。表紙の案内をご覧下さい。

514日(T

北九州がんを語る会

事務局 〒803-0851 北九州市小倉北区木町2-12-34

西安寺 玉水秀孝()TEL093561-5320

HPアドレス http://ctnk7460.cocolog-nifty.com/nozomi/

(会費振込先)口座番号01760-1-83497

加入者名 北九州がんを語る会 郵送の場合は、玉水へ

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