2月の例会報告他
平成24年3月
世話人
吉武 昌子
春を思わせる小春日和もあれば、忘れ雪が降るのかな?と、思わせる寒い日もあり、箪笥に薄手のコート1枚だけにはなりませんね…
ですが日々の小さな事や風景に、春を探すのもなかなか楽しいものです。
つくし狩りに出掛けたり、雛人形を片付け五月人形の手入れをしたり…
春は、そこまでやって来ています
例会 緩和ケア病棟ケアチームスタッフ一員としての回顧
2月25日14時より西安寺で例会が開催されました。今回の講師は、北九州市立医療センター 看護師 栗田睦美さんで、緩和ケアチームスタッフとしての経験・看護師の立場での想いを語って下さいました。
緩和ケア病棟で患者さんを援助していく中で「本当に患者さんが、満足してくれているのか?」と言う、ジレンマを抱えていたそうです。
ホスピスとは、疲れた旅人を修道女が温かくもてなすと言う意味があるそうです。
2002年にWHOの緩和ケアの定義に「生命を脅かす疾患に冒される、患者・家族のQOLを向上させ、その人らしく過ごさせる」と謳われています。
病気の痛み・社会の痛み・スピリチュアルペインの痛みを緩和ケアでは、和らげていきQOLの向上に繋げます。この点からも早い時期からのケアの必要性を、提言されていました。
それはがん治療と並行して、緩和ケアを受けるパラレルケアの事です。
これは患者さん自身が利用するのか、しないのかを考えて、決めていきます。
緩和ケアを勧められても、「あそこにいけば、最期…」と、考え断る患者さんは、
未だにいらっしゃるそうです。
病気の治療ではなく、心(不安)のサポートをして患者さんが苦しむ過程を共に…栗田さんが、切に望んで看護にあたっているそうです。
緩和ケアの本当の意味と利用方法を、正確に知ってもらい利用してもらいたいと、
切実に語られた時間でした。
質疑応答にも、意見が出ました。
1
Q)自問自答しながらの緩和ケアと、言われていましたがどの様な時にですか?
A)患者さんが痛みを軽減する為に、鎮静剤を使い穏やかに眠ってもらっている姿をみると、ご本人にとってはこの眠らされて状態を望んでケアしているのか?と…最期の大切な時間を。と、考えてしまう。
Q)緩和ケア病棟に入る条件は、ありますか?
A)緩和ケア病棟は、基本的にがん患者さんとエイズ患者さんのみで、それ以外は入院できない。北九州市立医療センターは、がん患者さんのみの20床。内、有料ベッド10床・無料ベッド10床。
抗がん剤治療をしていない方が入院の対象で、身体の調子に合わせて苦痛を和らげる治療を行う。食べれなくなっても直ぐに点滴でなく、どうすれば口から摂取できる様になるかを一緒に考える。
緩和ケアは身体の辛さを和らげる事が目的なので検査は、必要時に最小限でしか行わない。
入院期間は一般病棟ならば1ヶ月だが、緩和ケア病棟は3ヶ月程度。
北九州市立医療センターの在院数は、20日を切る。
Q)北九州に緩和ケア病棟のある病院は?
A)北九州市立医療センター・聖ヨハネ病院・九州厚生年金病院
新日鉄八幡病院
Q)在宅緩和ケアについては?
A)日常生活が、そこそこに出来る患者さんならば問題ないが、患者さん1人に対して介護者が1.5人は必要。
Q)5年生存率の由来・根拠は?
A)根拠は、ありません。地域差、がんの種類で違うので。
今回も、医療現場の生の声が例会参加者の皆さんに伝えられました。
自分らしい生き方、自分らしい闘病生活を送る為にも緩和ケアをしっかりと理
解しておく事も、必要なのでないかと思いました。
栗田看護師、今回は貴重なお話をありがとうございました。
2
~ 今後の講演・セミナー・勉強会の予定 ~
3月26日(月曜日) 市民活動サポートセンター 18時30分から20時
「在宅ホスピス」について
4月21日22日 宗像ユリックス24時間EKIDEN
21日10時~16時まで 登録会
22日10時~12時まで 登録会
(時間に変更の可能性があります。)
4月22日(日曜日) ひまわりの会 集い
10時~ 産業医大本館2階(カンファレンスルーム)
参加費 ¥300
※ 3月26日 黒崎駅南側 井筒屋通路
4月1日 小倉駅南口 コレット側・シロヤ側に於いて13時から15時まで
骨髄バンク ドナー登録「頑張ろう!九州キャンペーン」のチラシ配布活動を行います。全国規模で見ても、九州6県は患者数も多い反面、ドナー登録者数は少ない現状にあります。
一人でも多くの患者さんに、生きる望みのタスキ渡しが出来るように…
お出かけ時、見かけた時は声を掛けて下さいね!黄色いタスキで配っています。
先日、仕事の勉強会で「スプーン1匙の喜び(幸せ)」と、言う内容でディスカッションを受けて来ました。日々、調理業務に従事していますと慣れの中から業務化してしまい、ほんの少しの手間も掛けなくなってくる事があります。こんな事、本当にしてはいけないのですが…
認知高齢者に明日、明後日、3時間後の食事なんて約束出来ない。
この毎食、この1匙が最期の食事になると思いながら献立を立て、調理する気持ちを忘れるな!人間、口から食べることがどれだけ大切なことなのか…
を、初心に返って考える事が出来ました。
全てにおいていえる事ですよね…当たり前の中からの慣れ。
春には、新入職員も迎えるので気持ちを新たに、スタートしたいと思います。
3
| 固定リンク
コメント