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2011年12月 2日 (金)

がん医療フォーラム2011報告

がん医療フォーラム2011報告

日時:20111110日(木)13:0016:30

場所:東京都千代田区大手町1-7-2

会場:大手町サンケイプラザ サンケイホール

主催:公益財団法人正力厚生会

プログラム:ディスカッションⅠ「がん治療の最前線」

      ディスカッションⅡ「がんと向き合う~医療側と患者側のコミュニケーション」

 1.あらまし

  会場は全国からの患者、家族、団体、関係者などでほぼ一杯でした。主催者(正力厚生会)、共催者(国立がん研究センター、がん研究会有明病院)の挨拶では、

  ・今日日本人のおよそ半数ががんに罹り、三人に一人ががんで死亡している、

  ・いまがん医療について国民と医療従事者との対立軸解消が課題の一つである、

  ・がん医療の道は未だ遠い、がん患者、団体からの目線がますます重要視されている、

との問題提起があった。

 2.ディスカッションⅠ「がん治療の最前線」

  現在日本のトップを走る4名のがん専門医(国立がん研究センター、がん研究会有明病院)から各分野での最新の治療方法が紹介された。

  ・放射線治療は、局所治療がより精密にピンポイント照射ができるようになってきた。

  ・症状緩和から根治目的に近づいてきた。患者の選択の幅が広がってきた。

  ・薬物治療は、術後に抗がん剤治療を組み合わせすることによって効果を挙げてきている。副作用と効果は患者によって異なる。

  ・新薬には勇気を持ってチャレンジして欲しい。

  ・肺がん治療には、殺細胞性抗がん剤、分子標的治療薬などの新しい化学療法が注目され

つつある。

  ・がんの遺伝子治療は益々進歩してきている。家族歴のある方は、遺伝子検査をお薦めする。

  ・人によって一人ひとりの顔が違うように、がんの顔もまた一人ひとり違う。手術・放射線・化学・組み合わせ・放置するなどさまざまな療法を検討することが重要である。

 3.ディスカッションⅡ「がんと向き合う~医療側と患者側のコミュニケーション」

  2名の患者(患者団体代表)さんと国立がん研究センター相談支援室長、がん研究会有明病院麻酔科ペインクリニック医長の4名のパネリストが、患者や家族ががんとどう向き合うべきかについて討論された。

  ・患者さんにとって医師の一言は大変重いものである。言動には慎重な心配りをしている。精神腫瘍学という分野を専門としている(相談支援室長)。

  ・モルヒネは決して癖にならない。痛みは我慢してはいけない。痛みを我慢するパワーを治療に専念するパワーの方へ振り向けて頂きたい。医師も人間、がんにならないことはない。医師への遠慮はし過ぎないで相談して欲しい(ペインクリニック医長)。

  ・患者代表からの発言

   ・本人告知が原則になりつつあるが、告知されたとき、本人の気持ちを落ち着かせる場所が院内にあれば大変助かる。

   ・患者にとって5年生存率○%という数字は余り意味がない。患者にとって生存率は0%か100%しかない。

   ・今までの患者会は同病がキズをなめあうきらいが強かった。これからはピア・サポート(患者・医療従事者・関係者同士が対等に支援)し合う会へ、また医療への批判、患者の権利を主張するだけの場から体験的情報集積、提言の場にしていきたい。

   ・セカンドオピニオンを上手に利用すべきである。主治医以外からの専門情報を入手したいときには例えば家族からの強い要請のせいにすると角が立たない。

 4.フォーラム参加者の感想

 ・相談したい医師が多忙すぎる。国、地方行政・機関などは医師の負担軽減・環境整備・

チーム医療体制の改善を図ってほしい。

 ・患者としては一人で頑張らないようにしたい、外部をバーチャルに利活用して勇気を持ってがんとつきあっていきたい。

 ・がんの治療はバランスである。その部位、タイプ、ステージ、初発か再発かによってさまざまである。患者によってもニーズ、痛み、悩みは異なる。一律の治療方法はないと考えて、自らのがんをよく知り、総合的な決断をせざるを得ない。賢い患者になって生活の質を向上させて最期は自然現象で(できればがんで)死んでいくだけである。

(文責 世話人田中七四郎)

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