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2008年12月 7日 (日)

「希望2008/12号」投稿

混合診療解禁に反対

2008/12/03

北九州・行橋がんを語る会会員 田中七四郎

 混合医療とは、初診から治療終了までの疾病に対する一連の治療行為の中で、保険診療と自由診療(保険外診療、自費診療)を併用する診療のことです。

 患者・国民の安全、安心を脅かす混合診療解禁には個人的に反対です。

 3年前、県保険医協会北九支部木曜会に出席し、混合診療についてがん患者個人の立場から意見を述べ、「希望」にその報告を掲載させていただいたことがあります。

 問題提起として混合診療に関して、がん患者、医療関係者、行政の三者が一体となって「混合医療について考えるプロトタイプ・アセスメントWG(ワーキンググループ)」を立ち上げることを提案しました。

 残念ながら組織化はできませんでしたが、混合診療解禁については、3年前より益々反対の立場が強くなりました。

 アメリカのサブプライムローンの破綻が示すように、米国発の市場原理主義は今日グローバル経済に実害をまきちらしています。

 構造改革のひとつとして日米構造協議で強いられて導入しようとしている混合診療についても同様と考えます。混合診療は、米国保険業界が医療のビジネス化や病院の株式会社化を狙って利益を得ようとしている巧みな手法であると考えます。

 混合診療解禁賛成側は、混合診療は医療費負担が軽くなる、医療行為の選択肢が増える良い制度だと唱えていますが、実際は、国・政府が保険診療給付の拡大を永年に亘って怠ってきたつけを患者側へまわすことを狙いとしています。また医療機器企業・医薬品メーカーが負担すべき先行投資費用などを患者側へ転嫁することを狙っています。

 医療行為の選択肢が増えることについては、拙速による医療行為の安全性について重大な問題があると考えます。米国のように診療についてお金がある人とない人とが差別されることになり、お金のない人は診療を拒否される恐れがあります。現行の国民皆保険制度や現物給付、フリーアクセス可能な日本医療システムの良さが崩壊します。

 一方寛解のがん患者の立場からは朝夕メメントモリ(死を想え)を持ちたいと考えています。生老病死のサイクルからは逃れられません。医療行為に完璧さを求める幻想は捨てることも大事と考えます。以上。

 参考文献:「医療を亡ぼす混合医療」全国保険医団体連合会、2005/8/10発行

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