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2008年7月 4日 (金)

報告(-体験発表ー 肺がんの夫を看取って)   

6月の例会報告

-患者、家族が医療者と普段着でがんを語る-

日時:2008628日(土)14:0016:10

場所:

北九州市小倉北区木町2-12-34

 

会場:西安寺

演 題 -体験発表ー 肺がんの夫を看取って    

講 師 西久保みどりさん

主 催 北九州・行橋がんを語る会

  講師は北九州市若松区在住の西久保みどりさんです。半年前に肺がんのご主人を看取られ、それ以前にご主人の余命2年を告知されてからいろいろな苦境に見舞われたことやご心痛なさった貴重な体験をお話ししていただくことになりました。

  お寺の境内は梅雨真っ只中で足元のお悪い中を老若男女、初参加の方を含め10名以上のご参加をいただきました。案内をWebでご覧なったといわれる若い方、今まで通り会報(希望)や三大新聞でご覧になった方が多数いらっしゃいました。 
  お話しのあらまし

  ・ご主人を亡くされる直前に85才のお母さんを亡くされた。

  ・亡くなったご主人の言葉で「すべてに感謝だよ、君は守られているのだよ」ということばが忘れられない。

  ・ご主人は55才のとき直腸がんを患い、64才肺がんで亡くなった。ご主人が一番つらかったことは、声が出なくなったことで、テレビは音を消して見ていた。

  ・途中西久保さんは自律神経失調症に罹り、そのとき巡り会えた波多江伸子さん(倫理学研究者)に大変助けられた。

  ・ご主人は一度退院された。その折若松へ引越しし、ご縁があって日本尊厳死協会へ入会された。

  ・その後小脳へ転移があり、ガンマーナイフで痛みをとってもらった。現在は熊大などの最新技術では日帰りで手術が可能。

  ・「看取る方もつらいだろうが看取られる方もつらい。何かしたいことはないのか。手伝えることがあったらしてあげたい」というご主人のことばでフラダンスを始めた。現在も続けており始めて本当に良かったと思う。

  ・モルヒネ、オプソ、パッチなどで痛みは取れた。モルヒネでは便秘との闘いであったがもっと早い時期から投与させた方が良かったと反省している。

  ・最期は肺炎を起こし昨年1130日に亡くなった。セデーションの注射で眠るように逝った。苦しまなくて良かった。

  ・看病で苦しんだときは、妻ではなくご主人の母になろうと決心した。泣くこと、人に話すことで自分ひとりで抱え込まないようにした。なかなか同じレベル(境遇)で話し合える相手がいなくて悩んだ。

  ・緩和ケア病棟の外来を併用していて良かった。心の準備ともなり精神的に助かった。

  ・在宅ケアでは、家族以外の遠縁の方の存在が大きい。肉親でもない第三者でもない方の意見は冷静に聞くことができ大変ためになった。

  ・在宅ケアでは、往診が可能でモルヒネを調合できる医師がいなくては難しい。

  ・ご主人は西久保さんへ「今を輝いて生きよ」、更に「相手を輝かせて生きよ」、「ポジティブを拾え(プラス志向)」、「あと10年生きたかった、代わりに10年生きておくれ」、「ご先祖さまのDNA(燃料化石)の中にいるのだヨ。感謝して信じて生きてほしい」と遺言して亡くなったという。

  

  所感  

  ・お話しのあと生々しいお話しに触発されて参加者から率直な意見や感想が述べられた。西久保さんと逆に奥さんを肺がんで亡くされた男性の方は「奥さんに大変感謝している」、また年配の方で「特別したいということはないが、草取りが出来るいまは幸せ、ありがたい、感謝している」、またある方は「29年間夫婦で何を話ししてきたのだろう」、若い方で「夫が素直に善意を受けてくれないので悩んでいる」等、など。予定の時間をオーバーして講師と参加者とのお話しは尽きなかった。

  ・ご家族にがん患者を抱えて、どのように対処していったらよいか悩んでいらっしゃる方には講師の体験談は大変ためになったと考えます。大切なご主人を亡くされてまだ間がない講師には本音のお話しをお聞かせ頂き感謝申し上げます。以上。

 

  荒づゆや水量あふる渓谷の音 烏有      (文責 田中七四郎)

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