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2007年5月 9日 (水)

例会報告(一息の村)

4月の例会報告

-患者、家族が医療者と普段着でがんを語る-

日時:2007421日(土)14:0016:10

場所:

北九州市小倉北区木町2-12-34

  

会場:西安寺

講師:医療法人矢津内科消化器科クリニック院長 矢津 剛氏

演題:在宅ホスピス支援施設「ひと息の村」について

主催:「北九州・行橋がんを語る会」

  境内の梅若葉が鮮やかな中、15名の方々がお集まりになられました。講師は、1年前、福岡県行橋市行事に九州初のアパート型ホスピス施設をオープンされた矢津さんです。去年亡くなられた浜口さん(北九州・行橋がんを語る会代表)とのお付き合いの思い出からしんみりと始まりました。メインエベントのひと息の村(グリーンスリーブス)については、パソコン、カラーのパンフレット、情報誌などを使って具体的で大変分かりやすい説明をしていただきました。参加されていない方へは別紙新聞記事を添付していますので参照されてください。

☆要約

①ひと息の村は病院ではない。患者と家族とが一緒に暮らすアパート型ホスピスといえる。在宅がんケア元年といわれた去年(平成18年)は、在宅医療支援診療所制度(在宅での看取り、往診サービス)、デイホスピス(療養通所介護サービス)、老人ホームなどでの看取り、などのコンセプトが導入された。コミュニティケアという言葉が使われるようになり、在宅ホスピスは、社会的ケアとしてその人らしく生きることを支援していくという考え方が強くなってきた。今年になってがん対策基本法によりがん医療の均霑化、がん対策推進協議会の設置、が推進されるようになった。

②ひと息の村は、3階建ての施設です。1階には、訪問看護ステーション、地域住民が利用できるデイサービスルームやボランティアルーム、奥のスペースにはデイホスピスルーム、クラフトルームを配置、2階は、「在宅ホスピス支援ハウス・グリーンスリ-ブス」と名づけられた居住スペースがある。グリーンスリ-ブスとは、「近代ホスピスの発祥地といわれるイギリスの代表的な民謡で美しいメロディを持った曲です。自らクラリネットを吹くなど音楽への造詣が深い院長ならではのネーミングです(情報の森フォレスト2007.1)」。部屋数は11室で1人部屋が10室、2人部屋が1室、間取りはすべてワンルームタイプでキッチン、クローゼット、シャワー、トイレ、冷蔵庫が備え付けられている。部屋は医療施設でも介護施設でもなく、通常の賃貸住宅の位置づけであるので必要な家具などは、各自が自由に持ち込むことができる。3階からは雄大な平尾台が望める。

③ひと息の村の月単位入居料金は、1人部屋が、家賃56,000円、管理費30,000円、合計86,000円、2人部屋が、家賃84,000円、管理費45,000円、合計129,000円、食事代(13食)30日分、45,000円(各別に入居時のみ入居金必要)。週単位入居料金は、家賃30,000円、食事代(13食)1週間分、9,520円、合計39,520円。その他家族室利用は12,000円。詳細問い合わせはお気軽に0930-22-2583の相談室までお電話くださいとのことです。

☆所感

①その他心に残ったことば、お話し。

  ・がんには早期がん、進行がん、天寿がん、などがあり、それぞれのがんにはそれぞれの付き合い方がある。

  ・患者/家族が、早期に緩和ケア(ホスピスケア)を導入していくようになると、痛みの緩和など病気のケアのみならず、心のケア、ソーシャルケア、スピリチュアルケアなど全人的なケアが早く受けられ、治療の負担金も少なくて済むようになる。

  ・死ぬことを避けず、真摯に受け止め、生きる糧となるように考える。

  ・デビット・ケスラー(キュープラ・ロスの弟子の一人)による死にゆく人の17の権利の中に死ぬ権利がある→1.生きている人間として扱われる権利、・・・・・・、死ぬ権利。わたし達は思い通りに死ぬ権利はあるのだろうか。

  ・死に方の意思表示を家族へ書面として具体的に残しておくこと

  が大事。

②村長でもある矢津さんは、「今後このような施設は増えていくだろう」との見解です。在宅ホスピスのパターンが多様化していく今日、大変廉価でリピーター感覚で入村、出村できるこのような施設が増えれば高齢者、患者、家族にとってがんの治療、生き方、死に方の選択の幅が広がることとなり大変ありがたい。厚労省は終末期を、病院で死ぬか在宅で死ぬかの二者択一を迫るだけではなく、開業医師へ在宅での看取り、往診サービスなどの負担増を頼むだけではなく、在宅開業医間の連携を支援するシステムや、全国各地域のチーム医療環境充実へ積極的に予算化していただきたい。

③参加者からは病院で死ぬ時の悲惨な実例や老老介護による共倒れの心配、家族負担をかけたくない気持ちの顕れなど、切実で熱心な討議があり、矢津さんには一つ一つ有益なヒントとなる回答を丁寧にお答えいただき感謝申し上げます。

    ホスピスやどこへ移りしはなみずき 烏有

                     (文責 田中七四郎)

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受信: 2007年5月12日 (土) 10時18分

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