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2005年5月16日 (月)

例会報告、特集記事等(患者さんに学んだ30年)

80歳記念講演会報告

-浜口至さんが、患者さんに学んだ30年-

日時:2004919日(日)14:3016:30

場所:

福岡県行橋市大橋2-4-8

会場:禅興寺

講師:北九州・行橋がんを語る会代表  浜口至さん

主催:「北九州・行橋がんを語る会」

  法師蝉が遠く聞こえる曹洞禅宗の古いお寺さんに30人超の方が見えられました。講師は当会代表の浜口至さんです。大正13年お生まれの満80歳、傘寿を迎えられてなお矍鑠とされ、今も毎日が現役の浜口さんが、みなさんから学ばせていただいた大切なことを感謝をこめてお話ししたいと、記念の講演をされました。

会の世話役森屋妙子さんが司会進行のもと、作家であると同時に、倫理学者として終末期医療の問題などに取り組んでいる波多江伸子さんからの浜口さんへのおめでとうメッセージが読み上げられました。今回波多江さんは残念ながら遠方での講演会と重なり参加できませんでしたが、90歳の会には必ず参加したいとエールを送られました。

     要約

1.      大切な時間を割いてご参加いただいたたくさんの方々へ、特に今日までにご縁があった亡くなられた患者さん、看取られた家族・遺族のみなさん、ご協力していただいた医療関係者のみなさまへの感謝の言葉から講演ははじまりました。

2.      行橋、北九州、がんを語る会の立ち上げ

     19906月に行橋で設立、19921月、

北九州市

内に事務局を移した。無料ボランティアを通して学ばされたことは、「あなたがして欲しい事を人にしなさい」、また「30年の間、亡くなられた患者さん、看取られた家族・遺族のみなさんから、目に見えないものを頂いている」。

3.      末期患者に声をかけない医師と看護婦

     大変近しくしていた患者さんとの体験から。がんの手術は成功し転院されたが、症状が急変された。私は椅子に座りただ唾液を拭きとってあげ、側で手を握り締めているだけだった。そのとき患者に声をかけない医師と看護婦さんに違和感を感じたが、当時の病院では普通の事だった。

     そのころ前後して読んだ「死ぬ瞬間」(E・キューブラ・ロス著、昭和46410日版)との出会いは、忘れられない。

4.      電話相談、面接

     ご本人、家族、遺族、ホスピス希望者、の方々からの電話相談、面接を通して、

①怒り、悲しみ、グチ、など一緒くたにして話してこられるので、まず最後までよく聞く。話しの内容の確認を必ずとる、何を急いでしなければならないか、を考える。

     自分の価値観を押し付けない、説得しない。

     プライベートなことは口外しない。

などを学んだ。また、この問題ならあの先生へ、というたくさんの人脈が出来たことは財産である。

5.      告知

     だれが、いつ、どこで、どんな告げ方をするか。

     告知した後、チームでサポートする力があるか。

6.      死にいたる五段階

     否認、怒り、取り引き、抑うつ、受容、は順番通り進んでいくものではなく、いくつもの段階が重なり合い、後戻りしながら進んでいく。

     「人は必ず死ぬ存在である、人の死亡率は100%であるという統計は変わらない」(サマセット・モーム)

7.      死とはなにか

・「死とは、その人の人生が短期間にインテグレート(集積)されて、出てくるものではないですか」杉村隆国立がんセンター研究所長(当時)

8.      死の準備教育

     上智大学)デーケン教授は、死とどう向き合うか、死への恐怖を乗り越えて、人生を再認識するための死の教育の重要性を説いている。

     「人は生きてきたように死んでいく」柏木哲夫淀川キリスト教病院ホスピス長(当時)

9.       おわりに「今後、30年来の患者さんとの係わり合いから学んだこと、未だ解決していない事を見つけて、更に掘り下げていきたい。」また、「あなたをひとりぽっちにしない、あなたらしく生きることについて、寄りそっていきたい、決して強要するのではなく」と、きっぱりと結ばれました。

休憩の時間も取られず一気呵成にご講演された浜口さんのバイタリティに、お元気になられたご様子をみることができ喜ばしい限りでした。大変有難うございました。

なお、今回報告ではご講演内容のほんの一部分でしか再現できておりません。

正味2時間のお話しの内容のすべてをお聞きになりたい方は、電子録音媒体に録っていますのでご希望の方は、事務局(西安寺玉水秀孝、561-5320)までお気軽にご連絡ください。                           以上。

 (文責 田中七四郎)

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