« 事務局便り、あとがき(2005/5/18) | トップページ | 例会報告、特集記事等(麻酔とがん) »

2005年5月22日 (日)

春夏秋冬(神様のプレゼント-1-)

春 夏 秋 冬

―― 神様のプレゼント(1) ――

 

「がんを語る会」のみなさんに、私の近況を御報告いたします。ただいま前立腺がん治療のため抗がん剤を服用中です。50才ごろから頻尿が気になっていました。排尿が(ショボショボ)で、いつも残尿感がありましたので数年後、

北九州市

内の某総合病院泌尿器科で、バリューム検査をしましたが、映像を見ると前立腺が肥大化して、尿路が細くなっているのを確認しました。以来、排尿をよくする薬を服用していましたが、その効果は表れないで、左下腹部に違和感を覚えるようになりました。このまま放置するのはよくありませんので、昨年7月、

行橋市

内の泌尿器科クリニックをおとずれ、2日に亘って検査した結果医師との面談で報告を受けました。

「これは、ひょっとすると―」「がんということですか」「もし、がんだった場合、ここでは入院手術ということはできませんので、紹介状を持って

北九州市

内の某総合病院泌尿器科で検査を受けてください。早い方がいいですよ。」「はい、そうしましょう。ありがとうございました」「年齢も80才ですから、入院手術はしないほうがよいのではないかと書き添えましょう」「私も入院手術はしない方針です」ということで昨年8月、某総合病院泌尿器科の窓口に紹介状を提出し検査を依頼しました。私は他の病気のことで2回この病院に入院して検査手術の経験があります。妻が心配しますので2人でいきました。「なにも心配しなくてもいいよ。大丈夫だから」といって、精密検査をしました。1日がかりの検査の結果を翌日聞きました。医師が前立腺を4片切除し、検査して、「浜口さん、がんが検出されました」と告げると、同席していた妻がコップの水溶液を見つめ、私の顔を見つめました。

「私は入院手術はしない方針ですが、どんな治療方法がありますか」と尋ねると、医師は「その方向でいきましょう」と答えて治療方針を告げました。礼儀と良識を兼ねそなえられた医師です。毎月一回予約日に通院して、面談し注射と採血をし、11錠の(カソデックス)を4週間分処方します。ということでした。私が1日1錠服用する(カソデックス)は抗がん剤です。医師は「浜口さん、これを服用されると体が(カーッ!)とすると思いますが、それは薬のせいですから気にしないでください」と説明しました。その翌日から4週間(カソデックス)を服用しました。私の体は被爆のせいもあるかもしれませんが、まるで病気のデパートみたいで幾種類かの薬を飲んでいます。医師が説明したように、時々(カーッ!)としたり、下半身がそわそわと冷え込むことがありました。

予約日に泌尿器科に行くと、主治医が(カルテ)を見せながら、「浜口さん、見てください。こんなに数値が下がっていますよ」と笑顔で話しかけます。「これは、薬と注射が効いているということですか」「そうなんですよ」といって、注射をし、採血をすませると薬局から(カソデックス)を4週間分貰って帰ります。しかし、予約日に出かけて受診する時、かならず入院室へ向かう御夫婦を見かけました。昨年8月はじめて受診し本年の3月まで数値は下がり続けましたが、3月受診した時、主治医が(カルテ)を見せながら「浜口さん、数値が上がってきました」と告げました。「それは逆戻りしたという意味でしょうかね」「それなんですね」「今後はどんな治療になりますか」「1ヶ月間、抗がん剤の服用を止めてみましょう。次の予約日においでになった時、薬を代えることになるかもしれません」。

 私は指示されたとおり、採血検査室に向かいましたが廊下で立ち止って主治医が渡した資料を見ました。ふつうは採血3本だったのに、当日は(がんのみ)と書かれてあって、採血は1本だけでした。次の予定日は5月9日になっているので、抗がん剤の服用を1ヶ月中止したことと、採血検査の結果がわかるはずです。これだけの報告文を書くために2日かかり、数回ベッドで休息しています。深呼吸をしながら、ふっと考えさせられました。私が「がんを語る会」の活動の中でしてきたこと、しゃべってきたこと、書いてきたことはなんだったのか。自分がしたいことをし、書きたいことを書き、しゃべりたいことを、しゃべってきただけではないだろうか。そう思いつつ、みなさんに負い目を覚えたのです。患者さん、家族、遺族、が中心であるべき「語る会」の運動を省りみて深く反省させられました。

 患者さんの肉体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、霊的苦痛を少しばかり学んだとはいえ、私はがんを経験してはいません。ある看護師さん(女性)から、「浜口さんの、ここはこれでいいのかなあと思ったことがありました」と率直なご意見を電話で聞きました。「私も今、そのことを反省しています」と答えました。また、死生学者、作家であられる先生(女性)から頂いた年賀状には「いつも送っていただく「希望」で、先生のご病気をはじめて知りました。これで病気仲間になりましたね。仲良く病気と共存しましょう」と書き添えられていますが、これは私へのあたたかいエールだと感動しました。このように素直に意見を述べて下さる人々に支えられていることを心から感謝しています。

 患者さん、ご家族、遺族のみなさん!みなさんが私の大先輩で、年を重ねたとはいえ、私は皆さんの後輩です。お気にさわることがたくさんあったのではないでしょうか。なにとぞお許しください。この1文の表題を(神様のプレゼント)といたしましたが、このタイトルに(カチン)とした思いをもたれた方がいらっしゃるかもしれません。しかしこれは私の受け止め方であって、みなさんもそうだという思いではありません。

 これからどんな展開があるのか、まったくわかりませんが、私をみなさんの仲間の1人に加えてください。傲慢であったことをお詫びして、近況報告の第1信を終わります。

追伸 59日以降の近況報告は、第2信としてお届けいたします。

    電話相談の対応は出来なくなるかも知れません。

2005年5月5日  浜口 至

|

« 事務局便り、あとがき(2005/5/18) | トップページ | 例会報告、特集記事等(麻酔とがん) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104187/4229794

この記事へのトラックバック一覧です: 春夏秋冬(神様のプレゼント-1-):

« 事務局便り、あとがき(2005/5/18) | トップページ | 例会報告、特集記事等(麻酔とがん) »